個人宅リノベ
みんなのいえ
昨日、三谷監督の
「みんなのいえ」
というタイトルのDVDを観ました。 三谷監督らしくコミカルに描かれていたんですが、タイトルの通り家づくりに関する映画で、最後の方は私自身の仕事に対する想いが重なって思わず涙する場面もありました。お客様の想いをカタチにすることが私たちの仕事ですが、私どもが持つ建築のプロとしての知識や経験、そして様々な活動や人との交流を通じて得た技術やその背景などをお施主様との会話を通じて理解頂いた上で、家づくりをさせて頂ける事は大変ありがたく、また嬉しいことであります。しかしながら、デザインには流行りもあり、見た目や時代の流れで、見た目だけを追いかけ中身をおろそかにするリノベーションが祭り上げられている事も事実であります。 しかし固執すると時代に取り残されてしまいお客様から相手にされなくなってしまうので、どこまで私たちの想いを伝えるか? も大変難しいことであり、お客様の想いをカタチにする!事に邁進しているつもりです。
物語の中で、アメリカの建築様式に詳しいインテリアデザイナーが知り合いに自宅(戸建)のデザインを頼まれ、住宅のデザインは初めてだったため、気合を入れて良い作品に仕上げようという意気込みで仕事に挑みます。しかし、大工さんは生粋の職人さんで、こちらも腕に自信のあるお方。当然ぶつかり合うのですが… デザイナーが玄関ドアを内開きで指定すると、当然大工は内開きのドアなんて見たことがねぇ! と大反対します。 玄関が外開きの理由は、内開きにすると土間の使用範囲が限られるので、狭い日本ではドアを開いた時に少しでも土間を広く使えるようにと外開きになっているそうなのです。 しかしデザイナーは、「だから土間は必要以上に広くとってあるでしょう!」と反論します。 1Fのトイレもデザイナーの感性で南側でリビングの横に配置すると、大工は「トイレを明るくしてどーすんだ!」とくってかかります。するとデザイナーは、「トイレは暗いって発想自体が古い!自分の考えだけが全てじゃないんですよ!ちょっとは他のやり方も学んでほしいな!」とやり返す始末。一事が万事この調子で物語は進むのですが、ある時にデザイナーが立ち寄ったバーで、バーテンが目の前のお客様のために何度も何度も、それこそ10回以上お酒を作り直している姿を目にします。目の前のお客さんは、「もういいから、早く飲ませて」と言うのですが、バーテンは「僕のこだわりですから…」と言い続けて納得がいくまで作り直し続けるのです。その姿をみて、デザイナーは気づくわけです。お客様のためではなく、自分のこだわりを一生懸命カタチにしようとしている自分の姿をバーテンダーに重ねみたわけです。そこから急展開で物語は進んでいくのですが、プロの2人(デザイナーと大工さん)の熱いけれども、過激な熱さではなく、じわーっとくる炭火の熱さのようなやりとりに心打たれました。
私の意見では、まったく何のことか意味不明だと思いますので、あらすじを下記します。よければこれから家を造る方やリノベーションをお考えの方は、ぜひDVDを借りて観て頂きたい作品です。
DVDの中で大工さんが和室にこだわるシーンが何度も出てくるのですが、聚楽には壁と天井の境目がない、それはなぜか? 昔の人は境目がない部分に宇宙の無限の広がりを表現していた、それが聚楽だと。まさに温故知新、目の前がパーッと広がる内容の作品です。
あらすじ
飯島直介はバラエティ番組を手がける放送作家である。妻民子との仲は睦まじく、二人は新居を建てることにした。民子の提案で、設計を彼女の同窓で建築デザイナーの柳沢に依頼する。そして、施工を大工の棟梁である父長一郎に頼むことにした。
しかし、フランク・ロイド・ライトなどモダニズム建築を志向する柳沢に対し、日本の在来工法でしか家を建てられないと言い張る長一郎。ドアを外開きか内開きにするかでさえ、激しく対立する。
直介はどちらかの依頼を取り下げようと試みるが、柳沢の腕力の強さに怖がり、舅には面子をつぶさないように言われ、失敗する。
結局、柳沢が匙を投げる形で建築が進められるが両者の対立は解消したわけではない。
そんな中、大嵐が発生。長一郎が念のため建築現場を見に行くと、柳沢も見に来る。そこで直介も現場に行くことにするが、帰り道の柳沢の車と鉢合わせとなり、柳沢の車が横転。積んでいた200万円相当のバロック式の家具が壊れてしまう。依頼主から修復を頼まれていた家具が完全に壊れて途方にくれる柳沢。直介は長一郎に家具の修理を懇願。
壊れた家具を見た長一郎は家具の修復を決意し「昔も今も職人の考えることは同じだ」と言い、修復してしまう。完成するころには両者は和解していたのだった。
飯島夫妻の家は無事完成するが、はたしてその出来映えは…。
戸建リノベーション in 新宮
本日は昼から新宮に戸建のリノベーションをご希望のお客様の元へ打合せに行ってまいりました。
初めの打合せから数えると、すでに半年近くが過ぎました。今までの打合せが実を結び、本日は約半年かけた打合せ内容を金額で示す初めての見積の日。金額も当然8桁に届く見積です。しかしお客様から頂いたお言葉は、「貴方たちを信じているから値引き交渉は一切しません。よろしくお願いします。」 との一言だけ。 価格の交渉をされようが、されまいが、見積と仕様書に示された通りに期日内で仕上げてお引渡しをしてお施主様に喜んで頂く事が私たちの仕事ですが、今回のように、”お客様から信頼されているんだ!” と改めて認識させて頂いた時は、身が引き締まる思いに加えて、何としてでもお客様の想いを叶えるぞ! という気持ちになります。 6月末にはご契約の後、7月中旬~の着工、8月末お引渡しという超ハードスケジュールでのリノベーション工事になりそうです。
打合せを終えた後は、すでに5月末~着工している、同じ地区にある戸建の進捗を見てきました。
こちら(写真)は、築20年になる中古の戸建を購入されたお客様からのご依頼で、太陽光を設置できるように屋根の補強と、内部のリノベーション工事をご契約いただき工事が進行中です。
竣工検査
今日は朝から大名にある分譲マンションのリノベーション後の竣工検査をお客様立会いの下行ってまいりました。お客様は福岡地場の老舗の大手工務店(農協系ではありません^^;)のリノベーション事業部。現役の現場監督や、上役の部長さんクラスまでお見えになっての竣工検査となりました。設計やデザイン事務所の検査とは違い、施工の品質に特に目を光らせての検査となりました。検査の優先順位は住む人が怪我などをされないよう、設置したものが崩れたり、倒壊しないか?に着眼し、安心・安全な住まいになっているか?を検査して頂きました。次に漏水等がおきて階下に迷惑がかからないか?、階下の住人に迷惑がかかるイコールお施主様が一番困る事なので、水廻り関係の接続等にも気を配り検査が行われました。次に住宅や設備が長持ちするような施工がされているか?なども検査して頂きました。
検査を通じて嬉しかったのは、日頃私どもが仕事で気を付けている点に、言わなくても気が付いて頂けたこと。安心、安全、漏水、長持ちなど、当たり前の事ですが、デザインのほうが目に見えて分かり易いため、本当はおろそかにしてほしくない箇所がおろそかにされているリノベーション事例が多い昨今、説明しなくても私たちの有する姿勢や技術を分かって下さるお客様から仕事を頂けたことが嬉しかったです。
また、上役の部長さんから、
「リノベーションの検査なのに、まるで新築の竣工検査のような段取りだね。これは気合入れて検査したくなるね。リノベーションの検査なのに、全員分のスリッパ、手袋、靴下まで揃えてあるのはすばらしい」
と検査開始時に仰って頂き、検査後には、
「手直しも軽微なものしかないし、問題ありません。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。」
と仰って頂くことができました^^
検査時に、靴下をはいたうえにスリッパを履き、手袋をはめて検査するのは、手垢や足裏の油分をお客様の品物であるお住まいにつけては失礼だとの想いからです。これからも当たり前のことを当たり前におこなっていく気持ちを忘れずに仕事をしてまいります。